地方発、未来を創る
──AI × IoT で社会を
  アップデートする
株式会社天晴データネット 代表取締役 社長 西川孝盛
本日はお時間をいただきありがとうございます。僕は福井県丸岡町出身で、AIやIoTを活用し、社会課題に技術で挑む仕事をしています。本日は、13歳でプログラミングと出会ってから、福井で空き家や観光の課題に挑戦している現在までを、リアルなエピソードとともにお話しさせていただきます。皆さんが「自分も社会に影響を与えられるかもしれない」と思えるきっかけになれば嬉しいです。
13歳の僕が出会った"未来"
プログラミング初体験はいつですか?
僕は13歳でした。ファミコンのBASICカセットと「Oh!BASIC」という雑誌を使って独学しました。当時はテレビに表示されたコードは電源を切れば消えてしまいましたが、友人の家でPC-9801というパソコンを触らせてもらい、九九のプログラムを書いて印刷してみたんです。自分の作ったプログラムが"紙"という形で手元に残る体験に感動し、「これは仕事にできる」と直感しました。ここが僕のスタート地点でした。
ファミコンBASIC
13歳でプログラミングに出会い独学
雑誌「Oh!BASIC」
プログラミングの基礎を学ぶきっかけとなった専門雑誌
PC-9801体験
友人の家でPC-9801を触り、九九のプログラムを印刷した感動体験
高校生プロプログラマー、誕生
金津高校情報処理科入学
福井県立金津高校の情報処理科に進学し、授業で扱うコンピュータに夢中に
15歳でプロとしての一歩
15歳の時にお金をもらってプログラムを書く"プロ"としての活動を開始
最年少で応用情報処理技術者試験に合格
日本最年少で応用情報処理技術者試験に合格し、福井新聞にも掲載される
大学いかなきゃダメですか?
進学したのは福井県立金津高校の情報処理科。授業で扱うコンピュータに夢中になり、15歳の時にはお金をもらってプログラムを書く、いわば"プロ"としての一歩を踏み出しました。そして、応用情報処理技術者試験に日本最年少で合格。当時、福井新聞にも取り上げられました。この時に「大学はもういいかな」と思い、卒業後すぐに就職する道を選びました。
最初の現場は、コンピュータの心臓部
Unixカーネルって知ってます?
福井市内のIT企業で任されたのがUnix OSのカーネル開発。コンピュータの中心部分に触れる仕事で、「プロセス・メモリ・デバイス」という三大要素の管理をC言語で理解し、操作できるようになりました。OSのアルゴリズムの美しさに魅了され、ソフトだけでファイル読み込みを2倍にしたときの達成感が、今もエンジニアとしての支柱になっています。Unix OSはその後Linuxを経て、iOSやAndroidOSとなり、皆さんの手元にあります。
C言語
OSの中心部分をC言語で理解し操作
Unixカーネル開発
コンピュータの中心部分に触れる仕事
プロセス・メモリ・デバイス
OSの三大要素の管理を担当
6ヶ月で作った銀行システムと、起業
銀行システム開発
オープンシステムの銀行基幹システムを6ヶ月で完成
仲間との信頼構築
実績が仲間4人との信頼を深める
1996年創業
天晴データネットを設立
2008年社長就任
現在まで29年にわたって経営を継続
24歳で共同創業
金融機関の受託開発で、オープンシステムの銀行基幹システムを6ヶ月で完成させた実績が、仲間との信頼を深めました。その仲間4人で1996年、天晴データネットを創業。私は当時社長に次ぐポジションで、後に社長として現在まで約29年にわたって経営を続けています。
日本初のネット銀行、その裏側
僕らは銀行を作った
創業まもなく、日本初のネット専業銀行のシステム開発を受注。預金・為替などの根幹システムの他、オンラインでの本人確認や口座開設機能などを担当。この銀行は現在のP銀行へとつながっており、キャッシュレス社会を支える技術の一部を私たちが構築してきました。そして今も福井からアップデートを続けています。
本人確認システム
オンラインでの本人確認機能を開発
口座開設機能
ネット専業銀行の口座開設システムを構築
預金・為替システム
銀行の根幹となるシステムを担当
現在のP銀行
開発したシステムは現在のP銀行へと発展
iPadの10年前に、iPad的体験を
iPadが登場する10年前、保険会社向けにタッチ操作で動く提案・契約アプリを開発。
制約を技術で乗り越える姿勢が、今の当社の開発スタイルにも受け継がれています。
タブレットアプリの先駆け
iPadが登場する10年前、保険会社向けにタッチ操作で動く提案・契約アプリを開発。複雑な操作をシンプルなタッチインターフェースで実現しました。
オンメモリDBによる高速化
複雑な保険料計算が遅すぎたため、独自のオンメモリデータベースを構築。従来のシステムよりも圧倒的に高速な処理を実現しました。
処理速度の劇的改善
処理速度を15秒から2秒に短縮。タッチ操作の快適さを実現し、顧客との商談をスムーズに進められるようになりました。
世界とつながる拠点をフィリピンに
海を越えたい、男のロマン
社長に就任したのが2008年。受注は増えるけれど、人が足りない。地元の新卒を育てる努力は続けつつ、将来を見据えて海外にも目を向けました。英語が通じ、親日で、時差の少ないフィリピンに子会社を設立。そんな中、気づいたのは「ビルがどんどん建っている」こと。その背景にあるのが、ドゥテルテ政権の「ビルド・ビルド・ビルド」政策です。
社長就任
2008年に代表取締役社長に就任。会社の新たな挑戦が始まる
採用難の課題
受注は増えるが人材確保が困難に。地方企業ならではの悩み
フィリピン進出
英語が通じ、親日で、時差の少ないフィリピンに子会社を設立。毎月のように現地へ出張
ビルド・ビルド・ビルド
ドゥテルテ政権の政策でビルがどんどん建設される状況を目の当たりに。新たなビジネスチャンスを発見
"建てた後"を支えるIoT──iBMSの誕生
ドゥテルテ大統領が父親
「こんなにビルを建てて、ちゃんと運用できるのか?」と感じたのが発端です。製造業ではIoT活用が進んでいましたが、サービス業では手付かず。だから僕たちは、建物管理にIoTを使う"iBMS"を思いつきました。センサーとアクチュエーターを自由に組み合わせられる柔軟なシステムで、通信にはLoRaやZigbeeを採用。最初はあまりにも汎用的すぎてお客様にとっては難しかったため、業種別テンプレートを用意するように進化しました。
新発想の誕生
サービス業の建物運用にIoTを活用する着想
柔軟なシステム設計
センサーとアクチュエーターを自由に組み合わせる
先進的な通信技術
LoRaやZigbeeを採用した通信システム
業種別テンプレート
汎用性の高さを活かした業種別ソリューション
暗礁からの転換──iBMS for Hotel
コロナに掬われ、コロナに救われる
フィリピンの病院に導入予定だったiBMSは、コロナによるロックダウンで計画が白紙に。落ち込んでいた時に出会ったのが、コンテナハウスのSUYAMA社。コロナ禍でも人気のグランピングと相性が良く、非接触・省エネ・省力化が求められるこの分野にぴったりでした。ホテル&レストランショーにコンテナを丸ごと展示したところ、大きな注目を集めました。
コンテナハウスとの出会い
SUYAMA社のコンテナハウスとiBMSの組み合わせが新たな可能性を開く
グランピング市場へのシフト
コロナ禍でも人気のグランピングと相性の良いiBMSの活用
展示会での注目
ホテル&レストランショーにコンテナを丸ごと展示し大きな反響を得る
文化が変わればニーズも変わる─iBMSの本領発揮
知らない課題はごちそう
フィリピンで誕生し、コロナで挫折しそうになり、コロナのグランピングブームで日本で復活。その後逆輸出でフィリピンマーケットでも販売を始めました。すると、日本とは違い人口ボーナス期にあるフィリピンでは省力化のニーズは少なく、室内でのおもてなしやオフィスセキュリティを確保するニーズが多いと分かった。iBMS内部はレイヤを分けて実装しており、デバイス・コア・業種別・お客様UI/UX、のそれぞれのレイヤを局所的に開発すればよいため、様々なニーズに対応できます。僕らは開発が本分。知らない課題はごちそうです。
日本
ホテルの省力化、省エネ対策が主流。コロナ後のグランピングブームで復活を遂げたiBMSは、熱中症対策や無人チェックイン機能で大きな価値を提供しています。
フィリピン
人口ボーナス期にある国では省力化より、室内でのおもてなしやお客様満足度向上が重視されています。オフィスセキュリティや盗電防止など、現地特有のニーズにも対応。
台湾
産後ケア施設向けのカスタマイズが進行中。今後の市場開拓において、台湾特有の文化とニーズに合わせたiBMSの導入を計画しています。
福井市の民泊「ZenStay 春山」の導入例
福井市内の民泊施設「Zen Stay 春山」様への赤外線デバイス導入事例。
赤外線デバイス(エアコン・照明)を施設設置のタブレット・または宿泊者のスマホにて遠隔操作することが可能。
宿泊者の操作画面、実際にデバイスが動く映像が以下になります。

Google Docs

エアコン・照明デモ.mp4

「白馬ハイランドホテル」の導入例
長野県白馬村のホテル「白馬ハイランドホテル」様への
人数カウントセンサー導入事例。
赤外線によって扉を出入りした人数を計測、温泉の混雑状況を可視化。
デバイスのカウント方法が以下になります。

Google Docs

人数カウントセンサーデモ.mp4

50歳で気づいた、地元への想い
地元貢献って何すること?
50歳になるまで、「県外や海外で稼いで福井に納税すること」が地元貢献だと信じていました。でもふと、「本当に地元に貢献してきたのだろうか?」「地元で採用している社員達が誇りに思う会社にしたい」と自問するようになりました。そんな中、オーダーガラスのECサイトを運営しているオーカベガラスの大壁会長との出会いがあり、リアルに地元と向き合いたい気持ちが芽生えました。
納税による貢献
50歳まで「県外や海外で稼いで福井に納税すること」が地元貢献だと信じていました
自問自答の時期
「本当に地元に貢献してきたのだろうか?」「地元で採用している社員達が誇りに思う会社にしたい」と考えるように
大壁会長との出会い
オーダーガラスのECサイトを運営している大壁さんとの出会いが転機に
リアルな地元貢献へ
地元と向き合い、直接的に貢献したいという気持ちが芽生える
空き家×観光=地域の未来
ZenStayをサービスイン
福井は観光客が増えているのに、宿が足りない。実は空き家が52,700戸もある。実に6戸に1戸の割合で空き家なのです。これらを民泊にすれば、地域の資産として活用できます。開業支援からIoT導入、予約連携、SNS運用までを一気通貫で提供するのが「ZenStay」。空き家問題と観光を結びつける、新しい仕組みです。
52,700
福井の空き家数
6戸に1戸の割合で空き家が存在
100%
一気通貫サービス
開業支援からIoT導入、予約連携、SNS運用まで
"窓"が人を守るテクノロジー
ディープテックのマドウェア、阿部先生と共同研究開始
冬の寒さによる高齢者の事故──ヒートショック。これを防ぐため、福井工業大学の阿部先生と共同研究しているのが「マドウェア」。窓に断熱布を取り付け、温度・湿度をIoTでリアルタイムに取得。30台以上のセンサーを使って室内環境を可視化・分析しています。実データを集め、CFD(流体力学シミュレーション)で予測AIモデルを構築します。これらにより、30%省エネ目標としつつ、人を守る安価な内窓を作ります。「ディープテック」という言葉をご存知でしょうか?技術的な知見に基づき、社会に大きなインパクトをもたらす技術のことで、これこそがまさに産学連携が社会に提供すべき価値だと思います。
70%
温度差減
マドウェア有無による足元の気温差
30%
省エネ
エアコンの消費電力
AIが"社内の知恵"を継承する
TAIA = Tensei AI Agent(タイア)
社員が蓄積してきた業務ノウハウやマニュアル、それをAIが答えてくれる、ルーチンワークを自律的に実行する──そんな仕組みが「社内AIエージェント」。ChatGPTのような技術を使いながら、データは社外に出さずローカルサーバーで実行。社内の"知恵"を継続的に使えるようにする、未来の働き方の基盤です。アクセス制御を装備しており、同じ問いを社長と一般社員がやっても、違う答えがアウトプットされます。
業務ノウハウの継承
社員が蓄積してきた業務ノウハウやマニュアルをAIが回答
ルーチンワーク自動化
AIエージェントが自律的に定型業務を実行
セキュリティ確保
データは社外に出さずローカルサーバーで実行
アクセス制御
役職や権限に応じて異なる回答を提供するシステム
君たちが動けば、地域が変わる
AIやIoTを扱える若者が福井に増えていけば、空き家、観光、医療、教育、農業…まだまだ変えられることはあります。
技術が届いていない分野は、言い換えれば"可能性の宝庫"です。
地方には課題が多い。だからこそ、挑戦できるフィールドも無限に広がっているんです。
あなたが書いた
一行のコードが
誰かの未来を変える
このプレゼンは
ChatGPT 4oをインタビュワーにして原稿をマークダウンにまとめ、
Gammaに自動生成させました。4時間くらい。
Q&A──気軽に何でも聞いてください!
技術的な質問
AIやIoTの技術に関する疑問
キャリアについて
IT業界でのキャリア形成に関する質問
アイデア相談
思いついたアイデアの実装可能性
ビジネスモデル
起業や事業展開に関する質問
ここまでお聞きいただきありがとうございました。質問があればぜひ。小さなことでも構いません。今日の時間で思いついてしまったアイデアがあったら、僕が実装します。皆さんの声を聞かせていただきたいと思っています。